9時半起きる。小野寺の弁当を詰めて、ロビンに『NO PROGRESS』の稽古映像をいっしょに見直さないかと連絡したら、下北沢に帽子を買いに行きたいとのこと。じゃあ帽子を買うついでに喫茶店で映像を見ようということになる。

行く前に母親に一年ぶりに連絡。近況報告など。実家で飼っている白文鳥のピーチの画像が何枚か送られてきた。ある人が死ぬ時、家族や知り合いが集まるけど、死んだ後はお金の問題とかで喧嘩して離散する。でも動物は生きているあいだから人を繋ぎ止める。死んだ後に飼っていた動物のあれこれを巡って喧嘩するとかいうこともない。月並みだけど、形にならないものしか残さないからかもしれない。それに人間同士だと関係がデュエルになりがちだけど、人間と動物の関係では動物が常に主、ということも関係するかな。そんなに簡単なことじゃないか。
人でも動物でも、死んだ後に残るのは故人が関わった人々の結びつけであって、その関係性のあり方に故人が埋め込まれているというような考え方もできるか。

お昼は下北沢の「おじゃが」というご飯屋さんで鯖の塩焼き。ロビンはカキフライ。おいしい。このご飯屋さんのいいところは、コーヒーとほうじ茶が二杯までお代わり無料なところだ。

帽子を見てまわって、いくつか候補を炙り出したところで本屋「B&B」に行く。ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』を買う。パレスチナ文学。冒頭をすこし読んだけど、かなり面白そう。ロビンはフィリピンの小説を買っていた。

『NO PROGRESS』稽古動画を見る。使えそうなところを手帳にどんどん書いていく。明日の稽古では、これまで即興でやってきた稽古で使えそうな点を話し合って、作品の構成をみんなで話し合う予定。
でも手帳に書き込みながら、みんながいいと思う箇所はだいたい一緒になるような気がする。それは悪いことじゃない。即興でやるということは、瞬間ごとに立ち上がり消えていくフィクションや身体のあり方、その破壊を調節していくということで、戯曲を(つまりあらかじめ決められた発話を)あてにすることができないので、次の瞬間に何が起こるかわからないということだ。そういうことを繰り返しやっていくと、うまくいった瞬間とかダメだった場面は、すこしずつ一致してくる。

そういえば昨日、『俺の家の話』の2話を見た。
めっちゃ面白い。長瀬も桐谷健太もかっこいい。あとおれは、単純に大家族とか人がたくさんいっしょに住んでいる話が好きだなと思う。