昼頃起きる。というか、何度も目が覚めてたんだけど何度も寝て、重力に逆らったのが昼頃って感じ。「ちのパン」で「おさつクルミロール」と「フロマージュ」を買った。どっちも焼きたて。

上野で藝大の卒展を見る。ところせましと作品が並んでいて、あんまり集中して見る気にならない。そのせいか、どれも似たようなものに見えてしまう。集中というよりも、相手の思考にチューニングするみたいなことがないと、どんな作品も受容しようがない。でもやっぱり、多くの作品が似たものに見えなくもない。院生の展示、飴でできた笛を、飴がなくなるまで吹き続けた音声と、その飴の欠片が床に落ちている、という作品があった。結構好き。
あとは幼稚園から友達の、富樫の彫刻。大きなダイヤモンドが重量計に乗っかっている。写真を撮る時、フラッシュを当てると質感が変わって見える。

自分の作品が「他と同じようなもの」と言われたら、違う、これはこうでああで、と言いたくなると思う。つまり、思考のチューニングが甘いから他との違いがわからんのだ、と。でもそういう荒い視点も大事だ。その荒い視点にも全く他とは違うと思わせるようにならんといけない。

上野でご飯を食べた後、吉祥寺で公演の衣装を少し探した。ジャーナルスタンダードとビームスっていう、めっちゃファストファッションだけど。
帰ってから風呂に入って、小野寺の私服をいくつか着てみた。小野寺は俺と同じくらいの身長なので、お互いの服をよく着るけど、舞台衣装としては、良くもなく悪くもなく、という感じか。
『罪と罰』を30ページくらい読む。やっと婆さんが殺された。150ページ以上かかってようやく!
冒頭から殺すまでは、たまたま近くに座った酔っ払いの長い話を聞いたり、酔っ払った少女が倒れているのを警官に教えたり、脱線が多くて面白かった。というか、ある人物が喋りだすと、必ず過去とか生活のことを話して、そこから出てくる各々の(他人から見ればわりと謎の)生きていくうえでのこだわりが描かれるので、よい。でもやっぱり殺すシーンは、ラスコーリニコフに焦点がグッと当たって、急に視点が絞られていく。
おれは多分、物語のため、というのが透けて見えるのが好きじゃないのだと思う。でもドストエフスキーのことだから、ここから脱線に次ぐ脱線になってくれることを期待してる。