昨日の豚バラ大根を弁当に詰めて小野寺に渡す。小野寺はバイトに行くけど、おれは仕事も家だから、おれがひとりになることはあっても彼女がひとりになることはあんまりない。別に今日仕事があったわけでもない。送り出した後で布団に入って「千鳥 vs かまいたち」を見る。これではいけないと思って、吉祥寺まで歩く。インスタントカメラを買おうかなと思いついたが、スマホのカメラでいいなと思い直して、一枚だけ川の写真を撮った。水が澄んでいて、川底から2メートルくらいあるここからでも石の苔が透けて見える。昨日ピカソの陶芸を見て、いや、それ以上に NO PROGRESS で絵を描いている安瀬さんに触発されたところはかなり大きい、小説でも演劇でもないものをやりたくなった。日記もそのひとつだけど、絵を描いたり、彫刻を作りたくなった。とにかく手慰みというか、日々クオリティを考えずに好きにやるものが欲しい。小説はおれの構えの問題でもあるけど、他人がその場にいる演劇という形式で日々制作するのは、今のおれには結構むずかしい。
ジュンク堂に行って、ピカソの陶芸の本を探したけどない。気づくと2時半だった。今日は飯田橋のミヅマアートギャラリーで筒井伸輔(筒井康隆の息子の画家)の展示を見に行こうと思っていて、ちょうどいいと思って3時から休憩の小野寺に会いに神楽坂に行った。公園で弁当を食う、のをほうじ茶を飲みながら見ていた。4時になって、歩いてミヅマアートギャラリーまで行くと、ドアが閉まっている! その場でスマホで確認したら、昨日で終わってた。よく考えたら、サイトとか展示の情報とか全く見ていなかった。昨日、三潴末雄がtwitterで筒井伸輔の作品を載せていて、ただそれだけで明日行こうと思って飯田橋まで来てた。
仕方がないから、ドトールに入って、日記を書く。気づくと3時間以上経っていた。ラカンをまとめていただけなんだけど。日記は良い。モチーフを考える必要も、質を気にする必要もない。生きていて、時間が流れていて、今のおれの健康状態があればいくらでも書ける。カフカは手紙を書いて投函して、家に帰ってまた手紙を書いたらしい。だから『ミレナへの手紙』を読むと、「お返事を待たずに書きます」とか書いてある。手紙バカだ。

閉店まで書き続けて、スーパーでキクラゲとお酒を買って、家に帰ってから余り物で皿うどん。舞茸、人参、玉ねぎ、キクラゲ、シーフードミックス。あと豆腐とわかめのみそ汁。昨日途中までだった「千鳥のクセがすごいネタグランプリ」の続きを見ながら。
小野寺が『ピカソと陶芸』を買ってくれていた。ずっと見てられる。ピカソの作品の中で一番好きかもしれない。